イサナと俺と夏休み

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「ちょうど良かった!あんた、慎吾と2人でこれをお祖母ちゃんの家に持って行ってくれん?」 「エエッ!?」 俺のお母さんは、自分の子供に割りと無茶苦茶なことを言い出す人なんだ。 見ると、台所の床には段ボール箱にぎっしりと入った、たくさんのトウモロコシと大玉スイカが1玉が入っていた。 「こんな重たい物、持って行けないよ!お母さんが車で持って行ったら?」 「そのつもりだったんだけど、今日は午後から石田さんたちとお茶することになってねぇ」 石田さんというのはお母さんのフラダンスサークルの友達のことだ。 年に1回公演をやってるが、いつもは練習にかこつけて、やれお茶だ、食事だと仲間と一緒に出かけている。 まあ、1人より気の合う仲間とつるんで遊ぶほうが面白いのは、子供も大人も同じだよな。
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