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「あら、よう気づいたねぇ太一ちゃん。さすがにお兄ちゃん」
お祖母ちゃんはそう言うと、真ん丸い顔がさらに丸くなって笑っている。
うん、俺はこの笑顔は好きだ。うちのお母さんより優しく感じる。
「お祖母ちゃん、お客さんて誰?」
暑さで疲れ果てていた慎吾も、涼しい家に入ってようやく口を開いた。
「うん、お祖母ちゃんのお友達とそのお孫さんよ」
秋代お祖母ちゃんは慎吾と俺の顔を交互に見ながら答えた。
ひんやりとした来客用スリッパを履いて、1階のリビングに通される。
するとそこには、俺の12年の人生で生まれて初めて見る、人魚みたいにきれいな女の子がいたんだ。
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