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「へえ……それって誰なの?」
少しの沈黙を破って美咲に尋ねたのは、秘密を知ってる由佳だった。
「誰だと思う?ヒントはねぇ、この部活のひと!」
「もしかして、三年の宮倉先輩?」
「ちっがーう!三年生じゃないし!」
嘘。そんなの嘘。
「じゃ、じゃあ二年の相沢先輩?」
「あーまぁ、イケメンだよね。違うけど!うちらと同じ学年だよ」
「一年ってこと?」
一年生の男子なんて、そんなにいない。
確か四人だったはず……。
「背ぇ高くてー」
田澄じゃない。
「声低くてぇー」
鈴木じゃない。
「ちょっとニキビある」
嫌だ。嘘吐き。そんなの嘘、嘘であって。
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