第零章

1/1
前へ
/6ページ
次へ

第零章

いつだってそうだ。 あたしは、肝心なところでミスをする。 たまに上手くいって調子に乗って、「ここはこうじゃないか」「あれはああじゃないか」なんて生意気な口をきいて。それで結局、またミスをしている。 いつまてま経っても学習しないし、いつになっても成長しない。 まぁ、でも。そういう人だっているじゃん? たぶん世界中探せば、いっぱいいるよ。あたしだってその中の一人じゃん?それでいいじゃん? と、思えたら楽だったかもしれない。だけど残念。あたしにはそう思えない。 頭だって、決して悪くはないの。良くもないけど。 だから、そういう変なプライドっていうか、意地っていうか、そういうのが邪魔をするんだ。 その他大勢にはなりたくない。そんなふうにその他大勢をバカにしておきながら、それにならない努力はしてない。 馬鹿だなって、そう思って悩んで、忘れてだらけて、こんなはずじゃないのにって。 きっとこれは、大人になっても変わらないと思う。わかんないけど、そんな気がする。こういう勘だけはよく当たるからかな。 漫画みたいに、颯爽(さっそう)と現れたヒーローが、あたしを変えてくれるわけじゃないみたい。 あたしを変えてくれる何かは、あたし自身なんだろうか?
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加