第一章 またミスをした

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第一章 またミスをした

柚希(ゆずき)ちゃん、おはよう」 声をかけられて、心臓が跳ねる。 そういえば今日は少し寝坊したけど、寝癖はついてないかな。 前髪をつまんで軽く直しながら、「おはよう、李雪(りゆき)」と振り返る。 「というかさ。もう昼だし、こんにちはじゃない?」 「あっ、そっか。でもこんにちはって、友達にあんまり言わないね」 「あはは、確かに」 あ、今。声上ずってなかったかな。 前髪は…よし、多分オッケー。 「今日も暑いねー」 「うん、暑いー。水泳部だし、大会前だからって言うのもわかるけどさぁ、もうちょっと配慮してほしいよね。先生もさ、土曜練ならせめて、夕方からとかさー」 李雪とは、部活が一緒だ。競泳をしてる。
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