第一章 またミスをした

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保育園が一緒だった。今はもちろん、二人とも高校生。 保育園の頃は、全然、たぶん一回も喋ったことがなかったと思う。 再会したのは中学生になってから。小学校は別々だったから。 中学の時、あたしは部活に入ってなかった。学校じゃなくて、地域のクラブチームで、水泳を始めたから。 その時に、李雪と再会した。 李雪は正直、男っぽくなくて、あたしも実際女らしくはないんだけど、男子にしては話しやすいやつだと思う。 今は身長も伸びて、声も変わった。筋肉もついたみたいだ。中学の最初の方は、あたしと同じくらいだと思ってたのに。 いつの間にか、本当に全然知らないうちに、好きになった。 でも始めは、「ちょっと気になる」くらいだったはず。 そこから本格的に好きになったのは、三年間水泳をやって、クラブチームを引退する時だった。 あたしは、水泳を続けようか悩んでた。というか、やめようと思ってた。 だってあんまりタイムは縮まらないし。いやまぁ、そりゃぁ普通よりは早いけどさ。 けどそんな時、李雪が言ったんだ。「柚希ちゃん、水泳続けないの?俺は続けるよ。でも、そっかぁ、寂しいな」って。脈アリかと思ったじゃん。それがきっかけ。
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