2人が本棚に入れています
本棚に追加
それで、結局、あたしは水泳部に入った。単純なんだよ、あたしってさ。嬉しいことに李雪も同じ学校だし。
「おっ、ゆずちゃん早いーっ!李雪くんもか」
「先輩、こんにちはー」
「こんにちは」
「うん、こんにちは」
いつかは告白する気だ。まだそんな勇気が出ないけど、きっと、いつかは。
「ゆずおはよ!」
「美咲!おはよ……っていうかこんにちは?」
「だね。あはは」
美咲は同じ部活の友達だ。クラスはあたしがD組で美咲はB組だからちょっと離れてる。大事な友達のうちの一人だけど、何でもかんでも話す親友ってわけじゃない。
むしろ美咲は学年でも一軍?的な立ち位置にいて、二軍以下のあたしからすればちょっと苦手なタイプ。
それに親友は他にいる。
真奈美。大人しくて女子力が高くて、頭も良い。自慢の親友だ。タイムはあたしと同じくらいだから、そんなにずば抜けて速いって程でもない。ちなみに真奈美は美咲と同じ、一軍女子の吹き溜まりとも言えるB組にいて、いつも微妙に居心地悪そうにしている。
あたしらに比べて美咲はめちゃめちゃ速い。中学では陸上をやっていたらしいし、水泳は初心者の筈なんだけど、もともと運動神経がいいっぽい。
顔だちもハッキリしてて可愛いし、彼氏だって高校入学して早速できたらしい。
最初のコメントを投稿しよう!