第一章 またミスをした

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それで、結局、あたしは水泳部に入った。単純なんだよ、あたしってさ。嬉しいことに李雪も同じ学校だし。 「おっ、ゆずちゃん早いーっ!李雪くんもか」 「先輩、こんにちはー」 「こんにちは」 「うん、こんにちは」  いつかは告白する気だ。まだそんな勇気が出ないけど、きっと、いつかは。 「ゆずおはよ!」 「美咲(みさき)!おはよ……っていうかこんにちは?」 「だね。あはは」  美咲は同じ部活の友達だ。クラスはあたしがD組で美咲はB組だからちょっと離れてる。大事な友達のうちの一人だけど、何でもかんでも話す親友ってわけじゃない。  むしろ美咲は学年でも一軍?的な立ち位置にいて、二軍以下のあたしからすればちょっと苦手なタイプ。  それに親友は他にいる。  真奈美(まなみ)。大人しくて女子力が高くて、頭も良い。自慢の親友だ。タイムはあたしと同じくらいだから、そんなにずば抜けて速いって程でもない。ちなみに真奈美は美咲と同じ、一軍女子の吹き溜まりとも言えるB組にいて、いつも微妙に居心地悪そうにしている。  あたしらに比べて美咲はめちゃめちゃ速い。中学では陸上をやっていたらしいし、水泳は初心者の筈なんだけど、もともと運動神経がいいっぽい。  顔だちもハッキリしてて可愛いし、彼氏だって高校入学して早速できたらしい。
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