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「そういえばさ、うち、彼氏と別れたんだよね!」
「えっ!二ヶ月前に付き合い始めたばっかじゃなかったっけ?」
「そうなんだけどさぁ、なんか合わなかったんだよね。そもそもうちは全然バスケのこと知らないのに、センモンテキなこと言われたってわかんないし!」
美咲は正直、かなり“尻ふわ”な子だ。中学でも五人以上の男子と付き合ったことがあるって聞いた。あたしなんて彼氏ができたことすらないのに。
「それだけじゃないんだけどね」
「ん?何が」
「前の彼氏と別れた理由!うち好きな人できたんだよね……てかもう付き合ってるし!」
「はああああ!?!?」
女子五人の声がハモった。
いつのまにか大集合した、一年生女子ズの声だった。
驚嘆の声が狭い更衣室に反響して、五月蠅いはずだったのに。そんなの気にならないくらい、嫌な予感がした。
でもあたしだけじゃないはず。一年女子六人のうち、美咲とあたしを除いた四人のうち二人には、あたしが李雪のこと好きだってバレてる。
でも、でも。美咲には言ってないんだ。あの子って口が軽いから。言ったら皆にバレちゃうと思ったんだ。
先輩達は既に着替えを済ませ、部屋から出て行っていた。
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