Ep1: 女の子の味方①「ぶっ飛ばそう」

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 でもその中身はてんでミーハーなお子様で、恋に恋しているまだまだ未熟な少女だ。そのままでいてくれよな、いや、ちょっとは気づいてもいいのかもな、なんて満が考えていることなど──彼女は気づいてもいない。 「あ、あの……和葉ちゃん?」  そんなやりとりをしていたら、和葉の背後から遠慮がちな女の子の声が聞こえた。  満はそのときようやく、和葉の後ろに隠れていた物静かそうな女の子の存在に気づく。  肩らへんまでのミディアムヘアに、キョロキョロと辺りを気にする小さな瞳。どこか庇護欲をそそる幼い印象の女の子がそこにいた。 「あ、ごめん梨花(りか)ちゃん! みーちゃんの顔、見たらつい」 「ふふ、仲が良いんだね」 「中学からの縁ってだけだよぉ」  ナチュラルに満の心を傷つける和葉の肩に手をかけて、立ち上がった満は梨花ちゃんと呼ばれた女の子を見た。  襟元のバッチを見れば、同級生ということがわかった。 「えっと、君は?」  満は穏やかに梨花に問うた。  が、代わりに和葉がまた前にしゃしゃり出てくる。 「鈴野(すずの)梨花ちゃん! 去年クラスメイトだったの」  その向こう側で梨花が小さく会釈した。出しゃばりと控えめ、いいバランスだと満は苦笑した。 「あの……和葉ちゃんに相談してたら、あなたに聞いてもらった方がいいって……」  おずおずと梨花は口を開く。     
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