241人が本棚に入れています
本棚に追加
「……好き……です」
弱々しくて、頼りない声。
「ずっと……先生の事が好きでした」
考えるより先に言葉が溢れた。
たとえ叶わない想いでも、会えなくなって伝えられなくなるよりはずっと良い。
つま先が涙で霞んで見えなくなる。
「(言っ……ちゃった……)」
鼻の奥がつんとして痛い。
すると頭の上にぽんと手を置かれた。
「ありがとな」
涙が零れ落ち、手の甲で強引に拭う。
「でも俺は教師で、有村は生徒だ」
「っ……」
わかっていた事だ。
それなのに改めてそう言われてショックを受ける自分がいる。
こんなに涙腺がゆるかったのかと思うほど、ぽろぽろと涙が出てくる。
最初のコメントを投稿しよう!