【R18】満たされて(ゼロス)

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 ベッドに優しく押し倒されながら、浅いキスを繰り返す。もどかしいのに期待が膨らむ。望んでいるのはこの先にある熱情。少しずつ深くなるキスに、鼓動は勝手に早くなる。 「期待しているのか?」 「いけませんか?」 「明日は休まないのだろ?」 「……体によります」  受け止める気持ちが理性を上回っていく。分かっている、きっと明日なんだかんだと後悔する。「あの時どうしてセーブ出来なかったのか」とか、「恥ずかしくて死にそうだ」とか。  でもそれを含め、今の衝動にか敵わない。それに結局許してしまうし、これは照れ隠しだから。  腕が背に回り、きつく抱き寄せてくる。手が髪を混ぜ、ただ互いの体温を感じて居る。 「どうしたのですか?」 「……生きていてくれて良かった。正直、生きた心地がしなかった」  震えている事に気付く。あの後、意識を取り戻してもクラウルはなかなか離れようとしなかった。ファウストがリリーの屋敷から動けず、現場の処理をしなければならないというのに。  いけないのだろうが、嬉しくは思った。思って貰える事、泣いてくれること。握った手がずっと震えていた。安堵した時、一滴だけ涙がこぼれたのを知っている。  背に手を回して、きつく抱き寄せた。やはりこの人が好きなんだと、思い知った。それは日増しに確かになっていく。 「貴方がついているのです、死にませんよ」 「あのままなら危なかった」     
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