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「でも、助けて頂きました。あの時のクラウル様、とてもかっこよかったですよ」
戦場の魔王とは、流石に言わなかった。
見つめ合い、深く口腔を探るようなキスをする。互いを確かめ合うように。
「クラウル様、俺も欲しくなりました。明日は恥を覚悟で休んでも構わないので、存分にしてください」
求めている事を思い知り、胸の奥が切なく疼く。手加減されては足りない気がする。深くなんども、この人を感じていたい。
少し驚いたクラウルは目を丸くして、次には男臭く笑う。そして唇はゆっくりと、熱くなった肌の上を撫でた。
「はぁ……」
ゆっくりと染まって行く。触れられる場所から、じっくりと染みこんでいく。激しい快楽はない。なのに満たされていく。
「気持ちいいか?」
「勿論。クラウル様は?」
「当然だ」
言葉と手で確かめ合っていく。手が胸を撫で、乳首を捏ねる。ヒクリと反応すれば、ゆっくりと周囲を指先で撫でられていく。
もどかしい。ジワリと炙られていく。この場所で感じる事は十分に知っている。もっと強い、確かな刺激を知っている。だが与えられなくて、切なげに体を捩った。
「はぁ……ぁ……」
「色っぽい声だな」
「それほどっ!」
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