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最近私には気になる相手がいる。
正確には、憎くてたまらない相手がいる。
クレメンタインという女だ。
顔は見たことがない。見ようとも思わない。
あくまで知っているのは名前だけだ。名字すらも分からない。
ちなみに、西部劇やマンダリンオレンジのクレメンタインではない。
私が言う、その「クレメンタイン」の名を見たのは、後にも先にもたった一度だけである。
しかし、その名の一瞥が私に与えた衝撃の大きさを、私は永久に忘れないだろう。
学校に忘れ物を取りに行ったら、教室で親友がいかがわしい行為にふけっていたのを目撃したような衝撃を。
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