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「ねぇねぇ、茶子お姉さん」
マンションに住み始めて2年。仕事で死にそうになったのが1年。お隣さんの女の子と仲良くなって1年。
そして連続3日、私の胡坐の上から女の子がどいてくれなくて困っている私(24)歳が居た。
「前々から思ってたんですけれど、お姉さんってどうしてそんなに綺麗なまつ毛なんですか?私、羨ましいです」
「音々ちゃん、音々ちゃんも子供離れしてるぐらいまつ毛長いし綺麗で可愛いからね?」
「そういうの困ります」
「困っちゃうんだ」
子供だけどクールな音々ちゃん12歳。来年は中学生かぁ……セーラー服見たら泣きそう。
暑い夏の8月15日。今日音々ちゃんのお母さんはお盆で実家へ。音々ちゃんは私に預けられた。というか音々ちゃんが私の足元から離れなかった。私はフリーランスだから家から出ないしで、お母さんに頼まれて今に至る。
これが男だったら色々駄目だけど、自分が女である意味良かったのだろうか?
「お姉さん、黄昏てます?」
「難しい言葉知ってるね……音々ちゃんが大人しくて助かってるなぁって」
「……別に」
モジモジしながらもやはり離れない。私はちょっとお高い座敷椅子に座りながらPCを叩くが、そろそろ足が限界だった。時間も良いし……
「よし、キリも良いしお昼ご飯にしよっか?」
「―――!!うん、する!!」
音々ちゃんの趣味は料理。というか家事全般。音々ちゃんのお母さんには悪いけれど、私はそこまで綺麗好きではなく、仕事に構い過ぎて掃除が出来ないという感じで……それを見兼ねた音々ちゃんが、喜々として掃除してくれるのだ。と言っても部屋自体は綺麗で、埃とかの掃除だけなんだけどね。
その延長戦で「毎日ちゃんとした物を食べなさいッ!!」と思いっ切り怒られたので、こうして料理も作って貰っている。勿論手伝ってるし。包丁とかはなるべく私が使っているけれど。
音々ちゃん家でもお手伝いをよくするらしく、今時の子供とは思えないええ子なのよねぇ……
「そんなに見ても何も出ない」
「美味しい料理が出るじゃない?」
「ただの冷やし中華だし……愛情は沢山入れたけど、限度があるし……」
「……」
「あ、あれ?お姉さん?」
けどお母さん助けて下さい。私はお盆中に娘さんが可愛過ぎて萌え死ぬかもしれません。
「それじゃあ」
「「いただきます」」
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