竜と月

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竜と月

 うすはな色の空に黄色い砂が舞いあがり、生徒たちからどっと歓声が湧き起こる。――  校庭では体育の授業が行なわれていた。  涼花(すずか)の打ちこんだジャンプシュートはまっすぐに飛んでネットをゆらし、敵と味方の両方から驚きと賞賛の声があがった。涼花は自分の体操服をつまみ、胸許(むなもと)へさわやかな風を流しこむ。  チームメートに笑みを見せてから、ふと、となりのコートへ目をやった。となりでは、男子がおなじくハンドボールのゲームをやっていた。
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