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「……そういうことか」
ようやくカイは腑に落ちた。
この世界では、自らの意志が進むべき道を指し示すらしい。
あてどもなく歩いていた時は、堂々巡りを繰り返すばかりだった。
だが、何かの目印を求めた途端、泣き声が聞こえた。
その主がアルタミラではと思い立つと、彼女が住まうと思しき神殿が現れた。
カイの腹は決まった。
アルタミラに会い、聞かなければならない。
何故、光と闇は戦うこととなったのか。
何故、あの争いの後姿を消したのか。
それを聞いて、一体何になるのだろう。
ふと脳裏をよぎった疑問を、彼は無理矢理に振り落とす。
そして、意を決すると、崩れかけた神殿に向かい足を踏み出した。
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