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父さん と 親父
ジリジリとけたたましく鳴る目覚まし時計で目を覚ました。あまりのうるささにボタンを思い切り叩いて止める。一度目が覚めてからまた眠りにつく心地良さといったら他に替えられるものがあるだろうか。再び襲い来る睡魔と戦う気もなく眠りについた。
「コラ! いつまで寝てるんだ」
毛布が勢いよく剥ぎ取られ、着崩れて出た腹回りと足首をヒヤリとした空気が撫でる。2月の終わりのこの時期に、布団を一気に剥ぎ取るとはとんだ鬼畜の所業だと思う。
「むり、寒い……」
縮こまって枕に顔を埋める。
「いいのか? 大輔召喚するぞ」
「それはヤダ!」
大輔というワードにしっかりと目が覚めた。ちゃらんぽらんなあの“親父”を召喚されたら、何をされるかわからない。
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