0人が本棚に入れています
本棚に追加
素敵なダンスを踊るには。
───楽しい雰囲気に包まれる教室。
お昼時の学校教室。生徒たちは友達と思い思いに昼食を食べている。
そんな楽しげな教室で、席を向かい合わせた女生徒が二人。
一方の黒髪の女生徒がもう一方。茶髪でショートヘアの女生徒に詰め寄っていた。
「で、この前のあれは何だったの?
結局帰り道では一言も聞けなかったし…。教えてほしいなー。」
目をキラキラと輝かせ。食い気味に詰め寄る友達に、私は困っていた。
「あー…何でも無い。」
もっとマシな返しがあったと思う。だけど。
彼女が何を聞いているか私には分かった。分かったからこそ、私は動揺していた。
キョドらず咄嗟に言葉を返せただけでも、自分を褒めてあげたい。
「ハナちゃん。
嘘だって分かるぐらいには、私の友達力は───高いよ?」
自分を褒めるのは無しね。
何時もなら彼女の意味不明な発言。
友達力って何?っと聞き返して、適当に話を流すのだが。
「………。」
彼女の自身に満ちたドヤ顔を見るに。
今日の彼女はそれで躱せないと分かる。
仕方ない。彼女に話すとしよう。
話さずにいると事ある毎に聞いてきそうだし。
最初のコメントを投稿しよう!