15人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
【Level.1】
Evil is being,everytime,everywhere.
許されざる悪。
いつの世にも、それは存在する。
罪無き人々を、その幸せを蹂躙する邪悪。
誰の傍にもーーそれは、のうのうと。
私はその存在を、許すことが出来ない。
それこそが、この私が、私自身の存在を許すことの出来る、唯一の絶対条件であるのだから。
そしてーーそう、今夜も私は。
超高性能装甲車を、矢のように走らせている。
都市の暗闇に潜み隠れる悪、それを糾弾し、断罪するーーそのために。
その者に関する詳細な情報は、独自のネット・ワークにより、すでに得ている。
そう、どんなにずる賢い悪だって、私の情報網を潜り抜けることは、不可能なことであるのだもの。
目指す地点はーーもう、まもなく。
私は、最大速度にまで、愛車のアクセル・ペダルを踏み込んでいる。
帰宅を急ぐ市民たちのために、ルートは渋滞しつつある。
がーー私には、全く無関係。
なぜなら、この車両には、滑空用のウィングが搭載されており、状況によっては、空路の選択も可能でーーほらね?こんなふうに、レバー操作のみで。
とーー良い気分で、滑空中のこと。
暗号通信ーーパンサー・ボーイより。
最初のコメントを投稿しよう!