【気になるあの子】

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部室に戻るとさっきの出来事を別のクラスの友達に話してみた。 確か去年柳さんとクラスが一緒だったから。 「柳さんが大声を出す?そんなこと去年は一回もなかったと思うよ」 「やっぱり。柳さん独特の壁作ってて、時々悲しくなるよ。しかもいっつも雑用任されるし」 「雑用任されるの?そんなこと・・・」 その子が去年の柳さんのことを説明してくれた。 今と同じ静かな子だけど、先生から頼まれごとをされることはほとんどない。 それは委員長がいたのもそうだけど、柳さんはとても消極的でだから先生も頼ろうとしなかったとか。 「何回か挨拶してもさっとどこか行っちゃったりして私も諦めた。そっか今は先生に信頼されてたり、委員をするようになったんだね」 一年から二年に進級する間になにがあったんだろう? ふと頭にあの言葉が甦った。 ―私は少しもそんなこと・・・望んでない 踏み込んだから確かにお節介だよね。でも去年は消極的な子だったのに今は先生に信頼されている。だけど冷たい印象で友達らしい友達がいないように思える。 それって普通なら寂しいことだよ。
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