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「ただいま帰りました」
「おかえり。学校では真面目にやっている?」
いつもと同じセリフで迎える父の再婚相手。その年の差60代の父に義母は30代半ば。
私はこの人が苦手。それは初対面の時から今に至るまで。
キリリと胃が痛む。早く自分の部屋に行きたい・・・。
「・・・はい、先生たちに仕事を任されたり、体育祭委員も全力で取り組んでいます」
「体育祭委員?そんなの聞いてないわ。成績は大丈夫なの?あなたの成績が悪いと私の評判が落ちるの。しっかりしてちょうだい」
「成績には支障ないです・・・着替えてきますね」
部屋に入ると制服がしわになるとか考えずに飛び込んだ。
「(嫌い、嫌い、大嫌い・・・!!)」
なんであんな義理の母親のために私は無理をしないといけないの?
こんな人生望んでない!!おかしいよ!!
子供みたいに沢山泣いた私はふと、昼休み桃山さんが置いたメモが頭に浮かんだ。あれは捨てずにペンケースにしまったはずだ。
よろよろと立ち上がり折りたたまれたメモを開く。そこには・・・。
「柳さんへ
またお節介だと思うけど私の連絡先と住所を教えるね!
なにかあったらいつでも電話でもメッセージでもしてほしいな
私成績は普通だけど友達は100%大事にするタイプ!
桃山でした♪」
数行のメモに胸が熱くなる。苦手なタイプな子なのに、なんでかな・・・
会いたくて仕方ない・・・!
ローファーで走っているから足が若干痛いけどそんなことどうでもいい
桃山さんに会って、私のぐちゃぐちゃな思いを聞いて欲しい
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