朝食のハムエッグトースト

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リビングにはあとは焼くだけのウインナーや卵を用意してある。 「すぐ作るから待っててね」 私はそう言って陽くんに座ってるようにお願いした。陽くんもいつものことなので、んーと気の抜けた返事をして席に座る。私はウインナーや卵を焼いたり、パンを焼いたりして、早くご飯ができるように頑張る。 陽くんはコックリコックリと船をこぎながら朝御飯を待っている。 「できたよー。おきて、陽くん」 焼き上がった朝食を食卓に並べる。私の声で意識が戻った陽くんは私が席につくまで待ってくれた。 「じゃあ食べようか。頂きます」 陽くんの号令で私もいただきますと言い、ご飯を食べ始める。食べ終わった二人はそれぞれのやることをしに行動する。 私は学校へ。陽くんは小説を書くために自分の部屋へ。 「行ってらっしゃい。勉強、頑張ってね」 別れるときにいつも言ってくれる言葉。私も笑顔を浮かべ 「うん。陽くんもお仕事頑張ってね」 とまたいつも通りの言葉を返す。 今日から高校二年生。 今年は持ち上がりだからまた同じメンバーだけど、楽しい日々になればいいなと思う。友達の二人は不思議なところが多い人だけど、優しくて楽しい、素敵な二人だ。今年もまた、二人と一緒に学べることが楽しみで仕方ない、私だった。 「あ、明日香!おはよう!」 元気な声が教室に響く。 教室には私に向かって声を出した女の子と、その隣にいる男の子しかいない。この時間に学校に来るのは私たち三人ぐらいしかいない。 「おはよ、ひかり。今日も元気だねー」 私はそう言って男の子のとなりの席に座る。 自分の机なので教科書を入れていると男の子が、 「その元気分けてほしいぐらいだよ…」 と呆れ気味に言う。 「何よ明。元気な子はモテるんだよー?」 ひかりが言いながら胸を張る。その行動に明はため息をつき、私は苦笑いで流した。 この二人が私の友達。いつも一緒にいるし、何より同じ部活に入っている。 江口 明。 静かな態度が女子に人気で背が高めの男の子。 及川 ひかり。 明るく、誰とも話すことができる女の子。 二人とも異性に人気で、よく告白とかされるけど、二人は 『忙しいし、他に好きな人がいる』 と言って断っているみたい。
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