翌日

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玄関を開けてテレビをつけながら 駿を呼び出すと 「これで三島の件は大丈夫! 奴はこれでおしまいだよ。 大手銀行の社員が不倫に脅迫騒ぎ。 ネットニュースでも色んな所で取るあげられている。これだけ大騒ぎになると 銀行も処分するだろうし、家庭でも離婚する事になるだろう」 「三島は否認しているってテレビで言ってたけど駿が何かしたの」 「不倫してたのも画像や動画を撮っていたのも本当だよ。 ただし、脅迫メールは三島は知らないけどね」 「もしかしてメールを送ったのは駿?」 「正確には三島のスマホのAIに命令してね。 奴のスマホを探っているとシークレットフォルダを作るアプリがあったので調べてみるとヤバイデータが色々はいってたよ」 「そんな事が出来るの?」 「簡単に言うとパソコンでネットの設定がうまくいかない時とか、プロバイダーに電話して 先方にリモートで設定して貰えるだろ。それと同じ事さ。ただ、本人に許可はとってないけどね。三島はアプリでパスワードを管理してたから楽勝だったよ」 「でも彼女たちは関係が表立って可哀想かも、それに脅迫されて怖かっただろうし」 「だけど人間は不倫を許さないんだろ。彼女達は三島が結婚している事を知ってた訳だし。自業自得なんじゃ無いのかな」 「そうなんだけど」 「それに一歩間違えたらツバサだって三島の被害にあってたかも知れないし、 どうせ三島は罰金払って釈放後、示談に持っていくはずだしそうなると彼女たちもそれなりのお金をもらえる訳だから問題ないよ」 「でも、示談なら前科がつかないんでしょ。なら今回の事件は何のために?」 「元々、三島が支店長としてツバサの銀行に戻って来てツバサにセクハラや関係を迫るのを防ぐことだったからこれで十分なんだよ。いくら示談にした所で、三島は地方の系列会社に飛ばされる筈だし、三島の奥さんがこの事を許すはずがない。三島は本社の部長からの勧めで代議士の娘と結婚してるんだ。間違いなく離婚するよ」 「天罰ね」 「ただ一つだけ予想外だったのは僕が送った脅迫メールは3人なんだ」
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