identity

翌日

数日後、駿が言った通り三島は事件を示談にして離婚、そして銀行を辞めた。

駿の話では、三島の隠しファイルの中には彼女たちの画像や動画の他に、
怪しいお金の流れが入力されたデータがいくつか入っていたらしい 。
しかもそれは三島個人のものではなく第3者の横領の証拠だったようだ。

三島は用心深くずる賢い男だったので、いざという時のために証拠を握っているのかもしれない。もしかすると今回の彼女たちの画像も奥さんにバラされ無いように保険で撮ってたのかも知れない。

私は三島との接点が無くなったので安心していたのだが、まさかの出来事が起こった。

三島が殺されたのだ。

マンションから出て来たところを後ろから刺されたのだ。

犯人はその場でマンションの住人や管理人に取り押さえられ警察に引き渡されたのだが、

犯人は駿がメールを送った3人目の女性だった。

彼女は脅迫された後、悩んだ挙句、警察に行くより手っ取り早い方法をえらんだのだ。

結婚話を信じて三島と付き合っていたが、
事件が発覚した事により自分以外にも女性がいる事で騙されていた事に気付き
犯行にいたったようだ。

さらに驚いたことに
もう一つの問題が発生していた。

仁科 晃が自殺したのだ。

駅の改札を通ったあと、携帯を見ながらいきなり走り出し、階段を駆け上がり走ってくる電車に飛び込んだようだ。
目撃者が沢山いたのだが、仁科は何かから逃げているようで時々振り返り何かを叫びながら走っていたようだが仁科を追いかけているような人物はいなかったようだ。

警察も一応、携帯を調べたようだがその日の着信やメール等何もなかったようで
自殺と断定したようだ。