プロローグ

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「本郷君、本当に大丈夫なんだね」 またか、俺は心の中で舌打ちしながら 「専務、プレゼンの時にもお話しした通りこの計画は完璧です。 データ回収後には、こちらからスマホカバーに電気信号を送り携帯をクラッシュさせます。もし暴走するような事になっても同じです。勿論この最期のシナリオは彼等には内緒ですので、会議の後は一切この事はお話しにならないようお願いします。」 「私達が心配してるのはシステムの事ではなく、彼女達の日常全てを監視すると言う事なんだよ。こんな事が世間にバレた時には大問題だからね」 小太りの専務はハンカチで汗を拭きながら俺と 社長の顔を交互に見ながら言った。 「そちらの方も大丈夫です。彼女達がこの計画の本当の意味に気づく事はありません」 「ならいいが、で、このスマホが現物なのかね」 専務が机の上にあるカラフルな7色の色違いのキャラクターの描かれた スマホを指差した。 「そうです」 「もう一つ確認だが、先程暴走した場合スマホカバーに電気信号を送ると言ったが 彼女達がこのカバーを外した場合はどうなるのかな」 「それはあり得ません。彼女達がこのカバーを外す事は絶対に無いのです。 それほど彼女達にとってこのスマホカバーは特別 なのです。」「とにかく明日から1年間結果を残してくれたまえ」 誰も気づかない小さなクリック音が2回続けてなった。
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