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出会い
こんなに待ち遠しい週末が来たのは何年ぶりだっただろう。
午前中指定にしてたのだがスマホが届けられたのは昼前だった。
包みを開けると思ったよりもシンプルな真っ白の箱が出てきた。急いで箱を開けると中にはスマホにオリジナルのカバーをセットされた状態で、カラフルな衣裳を着て派手な駿がこちらに手を伸ばしていた。
とりあえず電源を入れると
唐突にスマホが話しかけて来た
「待たせたね!僕だけの姫」
「えっ!」
「今日からヨロシク、姫」
予想以上に滑らかな話口調で、まるで本物の駿が話しかけて来てるようだ。
「あの~姫っていうのはやめてもらえますか」
「OK!姫さま、なんて呼べばいい?」
「ツバサでいいです」
「了解!じゃあツバサ、まずはメールのセッティングやデータの移行をしようか」
「わかった、ちょっとケーブルを出すから待ってね」
「ツバサ、ケーブルはいらないからwifiのパスワードを教えてくれるかい」
「うん、チョットまってね。あ、これだ3xy45goid」
「データの移行始めたよ」
「え、私は何もしなくていいの」
「もちろん、ツバサはお茶でも飲んでればいいよ 」
今まで機種変する度に面倒な作業をしてたのが嘘のようだ。
「いろいろセッティングは出来たよ、音楽のコピーはもうすぐ終わるし 、画像のコピーはクラウドに保存中だよ」
「頼もしいわね」
「僕はツバサの優秀なアシスタントだから、何でも言ってね」
「1つ質問してもいい?」
「何でもどうぞ」
「説明書に世界に一つだけのAIアシスタントと書かれてたんだけど、声が駿という事以外に純正のAIアシスタントとは違いはあるの?」
「あー、例えば世間の人が持っているスマホのアシスタントが自転車とすれば僕はステルス機かな。時限が違うんだよ。真田駿の性格をプログラムされていて、僕は自分の意志で考えて話ているんだ」
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