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スナック菓子を休む間も無く口にしながら、宗二郎はゲラゲラ笑った。1年の頃、教室でもダウンタウンの話ばっかりしてたし、よっぽど好きなんだな。佑にとってダウンタウンは可もなく不可もない人達で、テレビに出ていれば観る程度。DVDを揃えるなんて凄いなーと思ったけれど、自分も数年前、お年玉貯金をはたいてスーパーヒーローのバカ高いDVDを買い揃えたから人の事は言えない。
「なー。ピザ頼もー?」
「いや、そろそろ帰るし。頼むなら一人分だけにしろ」
何だかんだで4時間以上、人の家のリビングに居座っている。もうすぐ夕飯時だし、常識ある若者はお暇すべき時間だ。立ち上がりかけた佑のTシャツの裾を、宗二郎がぐっと引っ張った。
「なに」
「帰んなよ。一緒に晩メシ食おーぜ」
「なんで」
「一人で食うの寂しいから」
「親は」
「帰んの夜中だし。何なら泊まってけよ」
寂しいなんて、泊まれなんて、俺どストライクのその声でゆーな。
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