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勤め始めて1年数ヶ月が過ぎた頃、宗二郎は風の噂で佑が戻ってきている事を知った。 家族に不幸があったらしい。 忘れていた筈なのに、成仏出来なかった恋心が頭をもたげ、会いたい気持ちが加速してゆく。 折しも夏の終わり。 玉砕し損ねたあの日と同じ季節。 真っ黒に日焼けした佑の逞しい腕や、広い肩幅を思い出すだけで胸が苦しい。 泣きたいほど苦しい。 もう、早く終わらせて前に進もう。自分がこの先を生きる為に、この恋をきちんと葬ってやろう。
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