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「いや~夏だね」
「いや、急にどしたんよ」
「季節感にどうしたは愚問だよん。夏かなと思ったら夏なんだよん~」
その理論はどうなのか。と、私は密かに思った。
ただ、夏だねと言われれば確かに夏だとしか言いようがないなんせこの暑さで私達は水に浸かってるん
だから
「おっ」
「あら」
口笛を吹いたら、鳥が来た。体の片方だけ青く、片方は赤い鳥。確か名をトレントと言った様な……
(※正しくはトレンス。鶯に似ている)
「ふっふ~ん、加護を超えてここまで来る鳥なんて
珍らしいね。おいでおいで」
クラちゃんが指を伸ばすと、その鳥は指をつつき出した
「あいたっ!いたっ!いたいって!」
今度は指では無く、顔までつつき始めた。明らかに
怒っている
「こらっー!ブレス(※焼き鳥)にしてやろうか~?」
そう、言うと鳥は一目散に逃げようとした。あ!と思った私はそっと手を伸ばし
「ディスティーチェ」
と、小さく呼びかけた。
すると、鳥はくるっと方向転換で私の角に留まる。
ふえーとクラちゃんは口をあんぐり開けて、それを眺めていた。
「これ、昔教えて貰ったおまじないなんだ。何故かこれをすると大体の動物とは仲良くなれるの」
「おまじない……と、言うよりそれはアメ(※古い魔法)って感じがする」
「そっか~アメなのか」
「そう言えばこんなのもあるんだよ。ラドクリス・
ディラースウィ・ドィーチ」
長いな~なんて達観気味に聞いていたのだが、何か嫌な予感がするのだった。
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