0人が本棚に入れています
本棚に追加
「私……死んじゃうのかな」
「死なねーよ」
「でも……」
その時、クラちゃんは真っ直ぐ私の目だけを見ていた。その瞳は左が蒼く、右が真っ赤だった。
「案外あんたは強いし、優しいから。それと」
何故かその時、クラちゃんは後ろを向いた。綺麗な背中に紋章が緑で刻まれている。ちょっとかっこいい
「私が死なせ無いから」
「ふえ?」
その言葉は明らかに冗談の言い方じゃ無かった。この私達を包んでる水よりも澄み切ってる様だ。
「おっ」
「きゃあっ!」
また、目の前に巨大な鳥が舞い降りた。さっきの鳥だ。嘴の先には小さなラグセット(※バスケット)がかけられている
「ありがとさんよ。お~」
「え?なになに?」
「ミカス(※棒アイス)だ~それに鳥のエサまで入ってる~」
「あ、この鳥ちゃんのごはんか。見た目に似合わず
気が効くね。でっかい鳥さん」
「いや~それ程でも……」
それからでっかい鳥さんはラグセットをくわえて
、何処へ飛んでいった。ラグセットに入ってたミカスとエサ以外は敢えて気になるけど、聞かなかった
「小鳥さん、どうぞ~」
と、片手にエサを載せた手を角に伸ばすと小鳥はゆっくり食べ始めた。
「ほら」
「あ、ありがと~」
エサを載せてない手で私はミカスを受け取った。
「いや~」
「夏が来たって感じするね~」
「そうだねってあ~!」
ゆっくり舐めていたミカスがいつの間にか下に垂れていた。これがミカスの嫌な所なんだ。と、私はミカスを口でくわえた
その時、クラちゃんはミカスの棒をくわえてたのだけど、いきなり歯でそれをへし折って
水に飛び込んだ
「っは~ミカスが垂れた水うまいね」
「んっもう、クラちゃんったら」
私達はその時だけ夏の暑さに勝つぐらいの笑顔が出来た気がするのだった。口の中でミカスの甘い味がゆっくりゆっくり消えていく気がして、私も最高に夏が来た!って勝手に感じるのだった
最初のコメントを投稿しよう!