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7.今でも好きだけど、まだダメなの
学校の帰り、不意にジョーがやってきて、「アキラ、お前のこと大好きだし、このところずっと落ち込んでて。そろそろ仲直りしてやってよ。」と言う。私は、「うん、でも。」と、はっきり返事しなかった。
お姉ちゃんは、もう少し我慢してれば、向こうから何か言ってくるので待て、という。レコード屋に行って、正樹さんに相談したら、アキラの気持ちを細かく説明してくれた。
ロンドンというのは、ロックやってる人たちにとって「聖地」だから、アキラが行きたいと思うのは当然で、それで、友人・知人に先越されるとうのは、大変なショックだったに違いない、ということだった。
私は、以前からアキラは智子がタイプなんじゃないかと疑っていた。だから、智子が留学することにショックを受けたんじゃないかと思って激怒した。でも、冷静になって考えると、アキラはロンドンに憧れていて、いつかロンドンに行きたいとずっと思っていたんだな、ということがわかった。
じゃぁ、なんで直ぐに私のところにそう説明に来ないの?ロンドンへ行く夢を隠していたから?今更言うのがカッコ悪いから? そうよね、ストレートにぶつかって来ない人だったわね、あなたは。
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