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パン屋さんって言うと、学校の近くにあって、菓子パンと牛乳を買うところだと思っていた。部活前に食べて飲みながらグラウンドまで歩く私たち。でも、青山通りのパン屋さんともなると、買ってからちゃんと座って食べる場所がある。それに暖かい飲み物も注文できる。すごいと思う。
智子がジョー狙いなので、4人席では、自然とアキラと私が向かい合って座ることになる。目が合うと恥ずかしい。アキラは、ロックの切り口からファッションの話をする。
「君のさ、そのジーンズ、どこの?」
「サッスーン。アキラさんのは?」
「あぁ、アキラって呼び捨てでいいよ。同い年なんだから。なんだっけ、そうそうジーンズ。俺のは、リーヴァイス。ミックが穿いてるっていうから。」
「ミックってローリング・ストーンズのミック・ジャガー?」
「そう、よく知ってるね。」
話は、少し弾んで、また停滞する。お姉ちゃんが世良さんが好きで、私は Char の方がいいってことも言った。話が途切れるのがすごく怖かった。
このデートの最中に気になることがあった。アキラがチラチラっと智子のことを見ること。もしかして、私より智子の方がタイプなの?
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