4.少しだけじゃなくて、かなり片想いなの

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4.少しだけじゃなくて、かなり片想いなの

 私は、恋について、ほとんど初心者って言えるかもしれない。アキラが私のことに興味がないことはよくわかってる。なんとか振り向かせたいと思うのだけど、どうすればいいか全然わからない。だから、部活の無い放課後に彼の教室まで行って、声をかけて帰りにハンバーガー屋に誘うのが精一杯。ちょっと遅れると、彼はもう帰っていていなかったりする。だから、私は、いつもホームルームが終わるやいなやダッシュして行く。  もちろん、彼に愛されるよう努力はしてる、私なりに。運動部系のノリだと言われてしまうかもしれないけど、ノートを買ってきて、表紙に「明日への一歩」って書いて、ロックについて知ったことをどんどん書いて、覚えようとしている。ロック雑誌も読むし、アルバムに入っている解説文も熟読するし、ラジオで渋谷陽一のDJも欠かさず聞いている。だから、アキラとロック話はできるようになった。でも、そこから先に進まない。  お姉ちゃんに相談したら、「あんたは、見た目がボーイッシュなんだから、顔を洗うとか髪を梳かすとか、アクセサリーをつけるとか、太股見せるとか、女らしさをアピールしないと、男は興味持たないわよ。」って言う。  
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