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時計の時刻を見て、ベッドから飛び起きる。今日は面接の日であった。
「ハヤト君。君の頭では、修士で苦労するよ」
そう単刀直入に言ってきた担当教授。仕方なく、大学で就職する事にしたわけだが。現在、就職活動で苦労している。どちらへ向かうにせよ、人生は、前途多難であるのだ。既に季節は冬だというのに、内定企業はゼロ。もう絶望しかない。
そんな折
とある会社から、教授に連絡が来たのだ。是非とも、僕と面接したいという強い意向があるという。
「この世の中には、随分と物好きな会社があるものだね」という嫌味を、教授から拝受。とはいえ、この千載一遇のビッグチャンスを逃すわけにはいかない。
ふぅ
面接の五分前。なんとか間に合ったか。
寂れた雑居ビルの一角に、その会社の事務所はあった。
「こんにちは。株式会社デンデンの坂田博です」
採用担当のヒロシさん。ニコニコと笑顔で、僕を出迎えてくれた。八畳ほどの小さなオフィス。デスクは二つ。あとは、簡素な応接用のソファーがあるだけ。ヒロシさん以外の人はいない。面接はマンツーマン。しかも、いきなりの最終面接。
うぅむ
緊張してきたぞ。
はじめに、ヒロシさんが会社の紹介資料を見せてくれた。
でんでん、ででんっ
株式会社デンデン
いやはや
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