<1>就職戦線に突入であります~ハヤト~

2/6
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/91ページ
 時計の時刻を見て、ベッドから飛び起きる。今日は面接の日であった。 「ハヤト君。君の頭では、修士で苦労するよ」  そう単刀直入に言ってきた担当教授。仕方なく、大学で就職する事にしたわけだが。現在、就職活動で苦労している。どちらへ向かうにせよ、人生は、前途多難であるのだ。既に季節は冬だというのに、内定企業はゼロ。もう絶望しかない。  そんな折  とある会社から、教授に連絡が来たのだ。是非とも、僕と面接したいという強い意向があるという。 「この世の中には、随分と物好きな会社があるものだね」という嫌味を、教授から拝受。とはいえ、この千載一遇のビッグチャンスを逃すわけにはいかない。  ふぅ  面接の五分前。なんとか間に合ったか。  寂れた雑居ビルの一角に、その会社の事務所はあった。 「こんにちは。株式会社デンデンの坂田博です」  採用担当のヒロシさん。ニコニコと笑顔で、僕を出迎えてくれた。八畳ほどの小さなオフィス。デスクは二つ。あとは、簡素な応接用のソファーがあるだけ。ヒロシさん以外の人はいない。面接はマンツーマン。しかも、いきなりの最終面接。  うぅむ  緊張してきたぞ。  はじめに、ヒロシさんが会社の紹介資料を見せてくれた。   でんでん、ででんっ   株式会社デンデン  いやはや     
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!