<2>何でも作ります、ツクツクボウシ~マコト~

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「マコトのいじわるー」  そう言って、動こうとしない。面倒だ。これだから、ガキは。諦めて作業に戻る。円筒形の金属の外に変な線をたくさん、ズサズサと突き立てていく。そして、内側に変なモノを埋め込む。  何なんだ、コレは…  ゴムのようにグニグニとした半透明の物体。金属のような光沢を見せている。  やれやれ  最近、こんな仕事ばかりだ。得体の知れないモノを扱うことが多い。正直、うんざりしている。  リクエストがあれば何でも作る。それが、ツクツクボウシのモットー。材料集めにアンデスの山だって登るし、南極に行ってモノを作ることだって厭わない。勿論、それ相応の代金を請求することにはなるが。  この仕事を始めてから、早十五年。軍艦を造ったりもしたし、塔を建てたりもした。いつの間にか、細々とやっていくだけの固定客もついた。だが、ここ最近、意味不明なモノを作ってくれという依頼が、やけに増えてきている。作ってみて、何なんだコレは、と首を傾げてばかり。  ピンポーン 「はーい。ツクツクボウシです」  アミが、玄関にスタスタと応対しにいく。全く、あのガキは。 「こらっ。お前が、勝手にツクツクボウシを名乗るな」     
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