第一章 出会い

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第一章 出会い

青いカーテンが日差しと風を受けて揺れている。爽やかな朝に俺は眠さを引きずって目を開けた。「う~、昨日飲みすぎた」ジンジンする頭を抱えて起き上がる。地面にビール缶がいくつも散乱している。俺は16だ。低血圧とは無縁で酒を飲んでいてもだんだんさえてきた。地面に転がるビール缶をけりつつ高校の制服を手に取る。 ズボンをはきながら学校にもっていくものを考える。 教科書は教室に置きっぱなしにしてるから弁当だ。 時々自分で作って持っていくのだが今日はそんな気分じゃない。家にあるパンか何かを持っていこう。 それかカツアゲして弁当でも買うか。 金はない。家は裕福だが父親が金を渡さない。仕事以外は競馬に競輪、パチンコと大金を使うのでおやじの稼ぎがよくても子供の俺らは金欠だ。 高校生なのでバイトするという手もあるのだが、子供が稼ぐとわかったらおやじが当てにしてことが借金に発展してはことだ。ここはおとなしく して金欠でいるのがいいだろう。
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