第一話 マーガリン
白滝彩日香(しらたきあすか)さんはマーガリンが大好きだ。毎朝パンにたっぷりと塗って食べている。
バターなどの自然食品と違い植物油に添加物を入れて固形にしたマーガリンは体に悪いと言う人もいるが気にしない、一人暮らしだが月に3パックは消費するほどマーガリンが大好きなのだ。
朝だけでなく、おやつや夜食にもマーガリンを塗ったパンを食べるくらいに好きな白滝さんだが近頃マーガリンを食べる量を減らしたという、奇妙な体験をしてある種の警告だと思ったからだ。
2ヶ月ほど前のことだ。
ある夜、夜食にマーガリンを塗ったパンを食べた。丁度マーガリンを使い切る。買い置きのマーガリンはまだ3パックある。少し物足りなかったが新しいマーガリンは翌朝の楽しみにしてその日は眠りについた。
翌朝、パンをトースターに入れて焼く、冷蔵庫から新しいマーガリンを取り出した白滝はその場で硬直した。
「なっ、何で…… 」
マーガリンの蓋が開いていた。新品の買い置きだ。今朝、新品を開けて食べるのを楽しみにしていたのだ。そのマーガリンの蓋が開いている。
「あっ、掬った後がある」
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