(33)名無しより愛を込めて

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* 「じーんとくる……」 「やっぱいい曲だなぁ……」 俺と浜口は曲の余韻に浸りつつ、彼女のラジオトークに耳を傾けた。 信号で停止したとき、ふとバックミラーで小島の様子を伺うと、彼はさっきと全く同じ態勢で海を眺めていた。 しかし、その顔はとても穏やかで海に向けて優しく微笑んでいた。 俺はそれを確認して、夏の甘酸っぱさを一足早く感じていた。 【完】
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