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マリの光球だけではない。あれは?驚くキイの視線は、倒れたマリを守るように取り囲む
複数の影を捉えた。
「助けてもらった借りを返すぜ!最強嬢ちゃん!」
先日、吹き飛ばされた兵隊、軍曹達が携帯式ミサイルを構え、大型のジャマに向けて、
攻撃を再開した…
「こないだの兵隊さん?何で吾輩を?」
ミサイルと重機関銃を乱射し、ジャマを退かせていく軍曹に思わず訪ねる。
振り向いた彼は笑いながら、吠えるように言葉を返す。
「理由は二つ。一つ目は前回、吹き飛ばされた時、俺達は死を覚悟した。だが、生きている。
状況的に、アンタに助けられた事になる。何故?だから、アンタの事を色々調べさせてもらった。結構近くに張り込ませてもらってな。
この空間にすんなり入れたのも、傍で待機してたからだ。そして色々わかった。このまま
二つ目の理由に繋げる…嬢ちゃんはあれだろ?よく映画とかアニメとかに出てくる
“正義の味方”って奴なんだろう?」
「えっ?」
「だから、俺達を助けた。本来なら命を狙う相手だ。報復を恐れるなら始末をしておくべきだ。それをしないっていうのが良い証拠だ。
正義の味方は、脅威となる敵を先手で潰したり、確実に殺したりしねぇ。いつだって、
向かってくる相手を受け止めてやる。それは何度挑まれても絶対に負けない気持ちと
敵も、自分も、世界さえも…全てを正しく導く意思の強さがあるからだ。嬢ちゃんが俺達を助けたのも、そんな感じなんだろう?」
「吾輩は…」
「まだ、自覚はないってか?確かにそうかもな。これは俺達の早合点かもしれねぇ。
だが、意識なくとも、自身の持てる力を駆使して、例え、どんなに大きく、強大な相手にも
立ち向かう姿勢、何か見返りがある訳でもない。それでも立ち向かう。つまり、今の
アンタだな。充分、資格アリ、立派な正義だぜ?」
「そういうものなのか?」
「確信を持って言える訳じゃねぇ、価値観と見方は様々!だから後は自分で考え、
育てればいい。最強の体に見合った最高の正義の在り方って奴をな。それじゃぁ!
嬢ちゃん!俺等は先に逝くぜ?」
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