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笑顔を見せる軍曹が咆哮を上げ、部下達と一緒に、怪物に突撃をかます。怒号と轟音。
どれだけ、戦闘に長けていても、所詮は普通の人間。全滅は時間の問題、それは戦いに
素人なマリでもわかる。
その光景を眺めながら、ゆっくりと立ち上がった彼女の隣に、キイが並ぶ。
「キイ殿…」
「わかっていますよ。マリさん。あの、軍曹さんは、本当にいいタイミングでした。」
「うん…吾輩、少しだけだけど、わかった。誰かのために戦う事を。正義の成すべき事を…」
「私も油断でした。最強の貴方に甘んじて、戦う意義を教えなかった。
もう大丈夫です。今の貴方なら立派な変身ヒロインになれます。それも最強のね!」
「やってくれ!!なのだ!」
キイが腕を上げ、マリに向けて淡い光を放つ。彼女の全身が、その光に包まれ、輝きだし、同時にコールの機械音声が辺りに響き渡る。
「未知ノ、エネルギー物質適合開始、進行状況!25パーセント!30…50、70、80、90、100!適合完了!ト同時ニ起動!マリ、プリーズ!コール!!ユア、ネイム!!」
「マジカル☆アイアン!!」
強い意思を秘めた彼女の声と同時に光が消える。そこに佇むマリの姿は、まごう事なき
変身ヒロインの姿。リリカルなコスチュームと、左手には魔法に使えそうなステッキを持ち、右腕は銀色に輝く機会の腕。それを大型のジャマに翳し、叫ぶ。
「“魔導光球!!”発射!!」
今までの光球とは比べモノにならない、巨大な一撃が怪物の全身を包み込み、ゆっくりと
優しく穏やかに浄化していく。
その残骸、光の塵が降り注ぐ中を立つ軍曹がこちらに振り向き、マリ達に笑いかけ、言葉を発する。
「やっぱり、アンタは正義の味方だったな。嬢ちゃん!」…
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