0人が本棚に入れています
本棚に追加
自身の直感を確信に変え、一気に彼女との距離を詰める。迷いない視線を目標に向ける彼女に声をかける。
「もしもし、そこのお嬢さん。驚かないで。私の名前はキイ。貴方は今、目の前の黒い、
この世界で言うと、犬っぽい存在が見えていて、それを悪いモノと感じ、戦う…
いや、何とかしようと思っていますね?」
少女の視線がこちらに向く。真っ直ぐかつ、強い意思を伺わせる、とても良い目だ。
キイも体を操作し、自身の丸い球体をより光らせ、善のイメージを強くアピールしていく。
恐らく音色の良い返事が、柔らかそうな唇から流れてくるだろうと期待するが、
彼女の耳に付けられたイヤリングが瞬き、機械音声を発した事に、とても期待が
裏切られた。
「ピピッ(電子音)確認、確認!前方ノ目標ト、同室ノ反応!サレド、空気中ニ
散布サレタ、プラズマニ近イエネルギー構成ハ地球環境ニトッテ、良イモノト
出テイマス。」
その声を聞き、頷く少女がこちらに言葉を返した。とても期待通りの良い声で!
「ありがとう“コール”‥‥そして光りの球体さん!その通りだ。吾輩達はあれを
何とかしようとしているのだ。」
「吾輩?」等のちょっと古風なキャラ付けは少し「?」だが、スタイル抜群、容姿も端麗、
オマケにちょっと不思議ちゃん?な彼女は防衛的人材として…いや、変身ヒロインとして
非常にGOOD!!
「ならば、どうでしょう?私はあれを倒す術を知っています。そして、貴方は戦う素質、
勇気を兼ね備えている。私と契約して、正義の味方!やってみませんか?」
単刀直入だが、これで「ハイ!やります!!」と言う子はまずいない。
どんなに適正があり、触れる事の出来る存在とて、突然の非日常には、誰だって戸惑うモノだ。
「ちょっと病院に行ってきます。変な幻覚が聞こえるんで。」
という真っ向否定型が大半だし、中には
「お母さんと相談してみなきゃ!」
なんて、あたふた!非常に可愛いお返事もある。
だが、目の前の彼女は…
最初のコメントを投稿しよう!