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その一言にマリの顔がパッと輝き、とてもナイスな笑顔で言葉を連発してくる。
「ホントにっ!?あの、日曜朝からやってる感じのアニメみたいに出来るの?
改造手術受けて、昆虫人造人間とかになっている奴じゃない方だよ?」
「大丈夫です!あの、魔法のステッキとか素手で戦う方です。」
「そうか…良かった。」
自身の変身姿を想像しているのか?目を閉じるマリを見て、キイはひとまずの安心を得た。
これでいい。色々しょっぱなの手順、番狂わせの彼女だが、根は年相応の女の子。可愛い夢と純粋な願いを持つ存在は、この戦いに適任だ。
何より、最初からほぼ最強の彼女。防衛時の危険もない。後は上にも相談して、ゆっくり
彼女の望んでいるプランに沿うよう支援していけばいい。そう思い、楽しそうなマリに
今後の動きを丁寧に説明していく。
「話がまとまって、こちらも嬉しいです。そして、この後の相談ですが、
マリさんとコールさんは今までの索敵能力で敵を発見する事は出来ますが、周りに被害が及ばない対処、封鎖戦闘領域の確保、いわゆる“結界”ですね?
その形成は難しいかと思います。そういった魔力面でのサポートを行いつつ“ジャマ”を
倒していき、準備を整えて、ゆくゆくは変身!この流れで行きたいと思います。
どうでしょう?」
「了解なのだ!キイ殿!!」
「では、私は必要に応じて、姿を現します。今日はもう遅いので、この辺で。」
「キイ殿…」
「はい?」
段取りは決まっている筈だが?との疑問に、マリがまたもや、少しのモジモジ仕草で何かを躊躇っている。しばらくその状態が続き、ごくごく控え目な感じでマリが言葉を発した。
「もし、良かったらだが、しばらくウチに住まないか?わ、吾輩の家、広いし。普段は
コールと二人だけだから。吾輩、あまり友達もいなくて…そ、それに近くに居た方が、
“ジャマ”とやらと戦う時に何かと便利だと思う。」
最初はゆっくり、中盤と後半は、恥ずかしさを隠すためかのマシンガントーク。随分と微笑ましい展開に、キイは心地よいむず痒さを堪能した。だが、こちらが堪能しているばかりではいけない。サービスを受ける相手からサービスしてもらったのでは、支援員の名が廃れるというもの。
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