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自身も相手の喜びそうな事をお返しせねば…少し考えた後、自らの能力を発動させ、球体
から、この時代で言う所の中年男性(家庭持ち印象爽やかを重視した容姿)に姿を変えた。
「キイ…殿?」
驚くマリに爽やかな笑顔を返してみせる。
「どうです?マリさん!今は、本来の姿に最も近い形をとっていますが、
お望みとあれば、マリさんと同年代の女の子にも、可愛いペットにもなれますよ。」
「……父上…」
「はい?」
「チョットタイム、タイムデスヨ!キーサン!」
陶然とした感じのマリの耳元のリングが光り、今までの会話に全く入ってこなかった
コールが喋り出す。
「マリ、予備ノ、イヤリングヲ、キーサンニ!」
「あ、ああ。了解なのだ。コール。」
ハッと気がついたようになるマリが、ポケットからイヤリングを出して、
キイの手に乗せた。それを耳に付けると、程なくしてコールの声が直接、
頭の中に響いてくる。
「コレデ、直接会話ガデキマスネ、キーサン!」
「あ、ああ!よろしく。」
「私ハ、マリノサポート、進ムミチヲキメルノハ彼女自身デス!ナノデ、特ニ異論ハアリマセン。デスガ…」
一呼吸置くような機械音がキイの耳元で流れ、続けて聞こえてきた言葉に、彼は文字通り
耳を疑った。
「マリはアタシのもんだからよ。あんま調子に乗んなよ?球体野郎!とりあえず、その姿はなしだ!すぐに変えてこい!!」
「・・・・・・」
「コール、どうしたのだ?」
「イエイエ、ヨロシクデス!!ネッ?キーサン!」
「はい・・・」
キョトン顔のマリとコールを見比べ、しばらく考えた後、キイは同年代の“女学生”に姿を変え、それはそれでマリを喜ばせ、続けてコールを更に苛つかせ、その数秒後に
反省会となった…
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