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目の前でサイが飛ばされて驚く侍。背後に何者かが近づいたので、振り向いた。
「うるさいサイは最果て牢屋でさい。だんな、あんなクソ野郎に席を譲っちゃいけませんぜ。もうじき相模湖につく。この車内にいる奴らは皆4万の軍勢と戦ってきた猛者ばかりでさあ。一触即発の事態があっちゃならねえ。あんなうるさいサイを飛ばすことは、あっしには造作もねえや」
そう言ってうすら笑うのは頭のシルクハットの上にSLが走っているマジシャンだった。
マジシャンは、サイが持っていたワインまで、ちゃっかり盗んでいた。
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