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参ったな……。
泣いてるたろちゃんを慰めるはずだったのに、逆に泣かされるなんて……。
気づいたら、玉のような涙がポロポロと頬を伝って床に落ちていった。
「うん……うん……なろう、家族……!」
それだけ言うと、彼の体を抱きしめた。その後は、私とたろちゃん、馬鹿みたいに二人してわんわん泣いた。
なれるよ、家族。私、いつも笑顔でたろちゃんの隣にいてあげる。それだけでいいなら、いくらでもしてあげる。
私たち、きっと素敵な家族になれる。
夜景の見えるホテルじゃないけど、ロマンティックな海辺じゃないけど、蛍光灯の下でお皿を片付けながら聞くその言葉は、他のどんな場所で聞く言葉よりずっとずっと愛を感じたよ──
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