あー、はいはい、またそれですか…ん?

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強い女は男性から敬遠されるもの。 更に「甘えるのが下手」と付いたとあっちゃあ、完全にアウト・オブ・眼中。 「自分をしっかり確立しないで、他人を大事になんざできるわけがない」というのが私の持論。 「男より漢らしい」 とすら言われた事がある。 つまり。 典型的に可愛いげのない女、それが私。 そんな私だから、フラれる台詞No.1は 「君は強い人だよね」 ちなみにNo.2の台詞は「そんな人だとは思わなかったよ」なんだけど、それは置いておいて。 話をNo.1に戻して、次に続くのが「だから一人でも大丈夫だよね」がお約束。 ま、ここまで来たら「でも◯◯ちゃんは、俺が守ってやらないと…」とか。 超・短期サイクルで見事にマニュアル通りの破局を繰り返していた。 そして今なんだけど、私には「彼氏」と呼ばれる男の子がいる。 私がよく試験勉強などする時に入り浸る喫茶店。 ウチの学校はバイト禁止じゃなかったから、そこでバイトをしていた春彦と出会った。 春彦は、プレーリードッグみたいでちょっと天然が入った可愛い系の男の子で。 そんな所が人気で、彼目当てで来店する客もいるのだとか。 そして私に何故か一目惚れをし、何の時だったか言葉を交わした時に同じ学校と知るや否や猛アタックをかまされて、当時フリーだった私は半ば押される勢いでカップル成立。 最初は普通にデートなんかしたりして和やかに過ごしていた。 でも暫くすると 「由実さんて強い人だよね」 あー、またそのパターンか。 「ええ、一人でも大丈…」 と先読みして答えようとしたら、春彦はとんでもない展開を繰り出した。 「だからこれからも僕を守って下さい!」 「・・・・・・・・は?」 その時の私は漫画の様に、口をあんぐり開けて全身脱力してアホ面をしていたと思う。 「だーかーらー!これからも僕を守って下さいって言ったの!」 待てまてマテ茶。 「胸を張って言う台詞じゃないでしょ!アンタ、男としてのプライドはないのっ?」 突然のカウンター・パンチを既の所で躱したつもりだったが、春彦は一瞬「んー?」と考える面持ちになり、あっさり笑顔で「そんなのどうでもいいじゃん」と一蹴「それとも、僕みたいに頼りない男は嫌い?」と淋しそうに尋ねるという反撃に出た。 あの猛アタックの行動力はどこへ行った? というか完全に世間的な男女の立場が入れ替わっている。
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