本編

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 晴海へと顔を戻した彼女は微笑んだが、すぐに唇を尖らせるようにした。 「それじゃあ、一年に一回しか会えないわ」 「休みの時にも来るよ」 「わたしが行ってもいい?」 「もちろん。今度は、オレが地元を案内するよ。近くに桜の名所がある」  そう言うと、少女は、大きく首をうなずかせた。  晴海は、そこで、初めて彼女の名前を尋ねた。 (了)
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