13人が本棚に入れています
本棚に追加
/51ページ
「きゃあ!」
何がなんだか分からない内に、景色が回る。身体のどこを、どこにぶつけて、どこが痛いのかも分からない。
「兵器なら、こうげきされれば、はんげきするんだろ?」
「あー、なるほど、な!」
「いやっ、痛い! やめて!」
数人の少年は、あっという間にティアナを囲み、思い切り蹴り出した。
なす術のないティアナは、頭を抱え込んで身を縮めることしかできない。
「やめて、やめて! やだぁ!」
「早く、何かして見せろよ! ホラ!」
「やーれ! やーれ!」
はやし立てる声が、どこから聞こえるのかも分からない。
「やだ、やめて! やめてぇえ!!」
途端、激しい攻撃はやんだ。しかし、ティアナはそれに気付かず、夢中で口走る。
「やめてよ! みんなあっちに行って――――!!」
行って、行って、と必死で叫び続ける。
どのくらいそうしていただろう。周囲から攻撃がやんだことに気付いたティアナは、息を弾ませながらそうっと目を開けた。
視線の先には床しか見えない。床と、教室に置いてある机と椅子の脚。それに、クラスメイトのものと思われる足だ。
ノロノロと身体を起こすと、周囲にいた男子児童は皆、壁際でうずくまっていた。
最初のコメントを投稿しよう!