高校三年生の陰キャは再度入学式に出席する

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 周りがこうしたのだがら、自分もこうしなければならないという、所謂「空気読めよ」である。  俺はあの時、そう答えるしかなかった理由の一つとして、空気が入ってくる。    もしも「まあまあ」、「普通」以外に「楽しい」や「つまらん」と言ってしまうと、その後友達が話題を広げるためにどんどんと聞いてくる可能性が高かった。  しかも友達に出来るだけ「友達が居て毎日がパリピだよ」と嘘を吐きたくもなく、実際の俺の高校生活はつまらん部類に間違いなく入るので、結局はつまらない高校生活のことを話したとしても「へえ」と会話が途切れて、微妙な反応を返されるだけなのだ。  だから俺は敢えて「まあまあ」と返答が中々出来なくても、友達がギリギリ納得できそうな返答を返したというわけだ。  勿論、その後の静寂は結構、精神的ダメージが来る。  コミュ障でごめんね。  そう思った後  ──こういう高校生活は止めにしたい。  ──何時から間違えたのだろうか。  と、ぼんやり考えながら、その場で友達と別れて帰宅した。  だが、あの友達からの何気ない質問で、その時ふと考えてしまったことが多分、始まりなのかもしれない。  いつも通りに夕飯を食って、お風呂に入り、歯磨きをし、ラノベやゲームで時間を潰した後に寝る。     
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