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「おまけに二人して、期末テストが終わったらとか同じようなこというんだもの。真菜は自分が五位以内に入れたらっていってたけど、涼ちゃんはあいつが十位以内に入れたら、外に連れ出して思いっきり祝ってから告白するんだとかいっててもうっ」
世話好きの近所のおばさんくらいのノリで、奈津美は大爆笑だった。浅田は顔を真っ赤にする。
「うるさいっ。おまえがそれを見届けたいとかいって空き教室にくるから、真菜が勘違いしたんだろうが」
「え?」
聞き返すと、浅田はなんだよと睨んできた。その彼に、真菜は問い返す。
「いま、真菜って……いつもは苗字呼びなのに」
「ああ、涼ちゃん本人にはいえないだけで、あたしに真菜のこと話すときはずっと真菜って呼んでたよ」
奈津美にそう暴露され、涼太はおまえなあと激怒する。その様子を見ながら、真菜の顔は沸騰しそうに熱くなった。
「涼ちゃんねー真菜のこと……」
「やめろ奈津っ」
兄に妨害されながら、奈津美がいった。
「一年のときから気になってたみたい。それが今年の五月の中間テストのときようやくきっかけができて真菜と話したら好きな気持ちに拍車かかったみたいでね。家族のためにバイト頑張ってるとか、忙しいのに涼ちゃんのために手作りクッキー焼いてくれるとか。そんな真菜が家庭的ですごくいいってさぁ」
「奈津! 黙ってろ!」
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